1人暮らし、徹夜明けユニットバスに閉じ込められる。その③
悲鳴を上げている肛門を少しでも癒すために、
便座の蓋を閉めて、シャワーで若干癒し、
便座の蓋に座る。
(「さて、どうしよう」)
ご近所からの苦情を優先するか、
親戚や、会社から、「連絡が取れない」と
心配されることを優先するか、
目の前にあるドアに頭を持たれながら考えていました。
空いていないドアを開ける事を、
TVドラマ等では、「ドアを蹴破る」という表現を使います。
蹴破ることを考えましたが、私は真っ裸。
世の中、天災時などいちばん堅牢に作られているのはトイレと言います。
便座から、ドアまでの距離がない状態で、ドアに体当たりを試みました。
バイーーーーン!
まるで、マンガです。大きくははじかれないにしても
勢いをつけて、便座に再度座っただけというなんとみじめな状況でした。
ならば、「天賦の才」ともいえる私の体重を使って、こじ開けてやろうと
便座に座った状態で、ニジリニジリと、膝をドアに押し付けます。
結果、ドアを一時的に弓なりに曲げるだけで、ほぼ意味なしと判断。
ドアの空いた空洞から、向こうの景色を眺めながら、
(「まだ、明るい!頑張れ自分!」)と励まし、
膝の皿が痛かったので、態勢を変え便座のタンクを抱える形で
生尻で、ドアを押します…。
ちょうど、中腰くらいで鍵穴の下の位置。
力もうにも、ユニットバスの壁が壊れるんじゃないだろうか?と
怯えておりました。
踏ん張れれば、この体重を利用して意地で開けてやるのに…。
踏ん張れない(涙)…と、便座をまたぐ形でユニットバスの床に
ペタっと座りました。